イジワルな彼は私を溺愛しています ②
「着きました」

有紀は女の事は無視してるのか喫茶店に入っていく。

俺は有紀の隣に座って漫画を足元に置いた。

「それでは、私の自己紹介からですね」

女はスーツ有紀に名刺を差し出しながら言った。

「私はmizusawaグループの秘書課に勤めている萩原菜月です」

mizusawaグループの秘書課、もしや……

「これからは有紀さんの秘書として働く事になりました」

嫌な予感的中。

この女が有紀の秘書。

「私、優秀ですからね。一応T大卒業しましたし」

そう言いながらおほほほと笑う姿は本当に悪女だ。

「私は水沢有紀です」

有紀が唐突に自己紹介を始める。

「今は高校1年生です…」

「大丈夫ですよ。貴方達の事はもうリサーチ済みだから」
< 122 / 216 >

この作品をシェア

pagetop