イジワルな彼は私を溺愛しています ②
目的地は前に水着を買ったあのショッピングモールだ。
「和海どこ行くの?」
「ショッピングモール」
「何か買うの?」
「秘密」
どうせなら誕生日プレゼントはサプライズがいい。
「和海はさ、萩原さんどう思った?」
「変人だな。仕事はできるが、オンオフがハッキリし過ぎてるな」
「やっぱり?優秀な人ってお父さんが言ってたけど、優秀だけじゃね」
有紀は早くも先行きが怪しいらしい。
「大丈夫だろ。優秀っていうのは素晴らしいことだしな。まあ、上手く使えばいい」
「使う、か……」
「重く考える必要ないだろ」
俺は思案顔になっている有紀の頭をくしゃくしゃにした。
「ちょっと、せっかくセットした髪が」
有紀は俺を軽く睨んで髪を手で整え始めた。