イジワルな彼は私を溺愛しています ②
タクシーから降りた前にあるのは、高級フランス料理店だった。
「お待ちしておりました、水沢様」
店員が礼をして、店の扉を開ける。
中はシャンデリアに落ち着いたBGM、美味しそうな香りが広がっていた。
私は一歩足を踏み入れた。
「凄い……」
「どうぞこちらに」
和海と案内されたテーブルにつく。
そこはちょうど店の中央にある丸テーブルだった。
「和海、ここ凄い」
「気に入ったか?」
「うん」
料理が運ばれてきた。
香り豊かで、見た目も綺麗だ。
「美味しかった」
口をナプキンで拭きながら言った。
「まだ、ケーキがあるぞ。食べれるか?」
「もちろん」
そう言ったそばからゴロゴロとカートの音がした。
「お誕生日おめでとうございます!!」
少し力んだ若い女性の声がしたあと、
♪ハッピバスデートゥーユー♪
とピアノの伴奏に合わせて店の人お客さんも歌ってくれた。
「おめでとうございます!!」
パチパチパチと拍手がなった。
「どうぞ、お召し上がりください」
テーブルの上にのせられたのは少し小さめのチョコレートケーキだった。
チョコレートが光沢でキラキラ輝いている。