イジワルな彼は私を溺愛しています ②
ピピピッ ピピピッ

タイマーが鳴った。

「仕事終了」

萩原さんはそう言って眼鏡を取った。

萩原さんの上手く扱うために使ったのがタイマーだ。

タイマーが鳴ったら仕事を終わりにするとルールを決めたことにより、仕事モードがずっと続くという事がおきないようにした。

それと萩原さんは眼鏡でオンオフを切り替える人で、眼鏡は伊達らしい。

ピッ

私はタイマーを止めて大きく伸びをした。

「できた?」

私は萩原さんに対してタメ口で話している。

「出来たよー。有紀ちゃんは?」

オフモードの萩原さんは私の事を有紀ちゃんと呼ぶ。

ちなみに仕事モードは有紀様で私に対して敬語だ。

「私もできた」

「よし!それなら私は帰るねー」

「来年もよろしくお願いします」

「こちらこそ来年もよろしくね」

萩原さんはノートパソコンをカバンに入れて、部屋から出て行った。

ぐぅー

お腹がなった。

私は立ち上がって台所に行った。

和海は今日忘年会で家にいない。

もっと早めに忘年会はやるべきだとは思うのだが、部長クラスの人達だからいいと言っていた。何がいいのかは不明だ。

冷蔵庫には食材があるが、その場で食べれそうな物がなかった。
< 136 / 216 >

この作品をシェア

pagetop