イジワルな彼は私を溺愛しています ②
私は仕方なく、財布を持ってコンビニに行くことにする。

ここから一番近いコンビニは私がバイトしていたコンビニだ。

私はコートと手袋とマフラーで防寒をして家から出た。

「寒っ」

風が冷たい。

まだ5時だというのにもう外は暗かった。

私は小走りでコンビニに行き、おでんとあったかい緑茶を買った。

「あ」

親衛隊__ボディーガードに、外に出る時は自分達が着くまで待ってくれと言われていたのを忘れていた。しかし、年末年始だ。ボディーガードにも休みが必要だろう。この前和海にこっぴどく叱られたことは忘れよう。

私はまた小走りで家に帰った。

「あったか……」

家は暖房が効いていて外から来た私には天国のようだった。

コートを脱いで、手袋とマフラーをダイニングテーブルに置いて、テレビの電源を入れる。

買ってきたおでんとお茶を持ってソファーに座り、年末年始の特番をしているバラエティ番組を見ながらアツアツのおでんを食べた。

和海とはこの頃デートもしていない。私の仕事が忙し過ぎて、私は和海と一緒に寝れてもいない。

夜中は徹夜で仕事をして、学校では授業中寝る。休日は会社に顔を出して、たまに会議をしたりする。

「我がままだよね……」

自分が忙しくて会えていないくせに、今和海が居なくて寂しいなとか思ってしまうのは。

私は味の染みた煮卵を口の中に押し込んで、ソファーに横になった。

すぐに睡魔が襲ってきた。


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