イジワルな彼は私を溺愛しています ②

「1人で外に出るなってこの前言ったばっかだよね?」

俺は風呂あがりの有紀をベッドで押し倒して言った。

「襲われたらどうするつもりなの?」

「か、和海、私は大丈夫だったし……」

「大丈夫じゃなかったら困る。俺が壊れる」

「そんな大げさな……」

「本当のことだろ。さぁて、有紀はどうやったら心から反省するかな?」

「も、もう反省してるから大丈夫……」

有紀の顔は引きつっている。

「そんなこと言って、前は筋トレ1時間させたのにまたこれだからねぇ?」

筋トレをしたあとの有紀はヘロヘロで体に力が入らないと言って俺にもたれかかってきた。それに、あの無防備な顔はたまらない。

一応、このハードなお仕置きにも有紀を強くして誘拐される可能性を少しでも減らすという目的が、あることもない。

「あ、あの……ボディーガードも年末年始休業は必要だと思ったから……」

「年末年始休業?もしこれで有紀が行方不明になったらボディーガードさん達は徹夜で有紀のこと探し回ることになるんだけどねぇ?」

「あ、う、それは……」

有紀の目は言い訳を探そうと泳いでいる。

「今回は2時間かな?お仕事大変なのにねぇ?」

「せ、せめて1時間にして……」

「ん?なんて言った?」

「ナンデモナイデス」

「そっか。じゃあ、明日はデートしようと思ったけど、筋トレで終わっちゃうね」

「デート?!したい!」

有紀の顔がぱあっと明るくなった。
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