イジワルな彼は私を溺愛しています ②
「うわぁー」

亜矢が男三人を見て感嘆の声をもらした。

三人は(たぶん翔先輩が一方的に)海水をかけあって遊んだのか、水も滴るいい男になっている。

和海、翔先輩はもちろん渡辺先輩まで、逞しい体をもっていて、三人がこっちに歩いてくる姿は私にとって鼻血もんだ。

「……っ//」

顔が赤くなっていくのが分かる。

こんな所で腐女子が出てくるとは思わなかった。

「あらら、有紀顔が赤くなってますわよ」

亜矢がひやかしてくる。

「でも、本当に漫画みたい……」

紗知がつぶやく。

「こんな人が現実にいたんだねぇ」

亜矢は三人をまじまじと見て言った。

「三人とも可愛いね」

翔先輩が言った。

「有紀ちゃんも可愛い〜」

翔先輩が私に近づこうとした瞬間に翔先輩は転んだ。

「ごめん。手が滑った」

「嘘つけ!手がすべってそんなに強くおすかよ!」

翔先輩が転んだ原因は和海が後ろから押したかららしい。

「だから、謝っただろう」

「そんな心のこもってないごめんは聞いたことがない!」

「……翔、うるさい」

渡辺先輩が言った。
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