イジワルな彼は私を溺愛しています ②
車に揺られること2時間。

8時に家に到着した。

「「おかえりなさいませ、お嬢様!」」

大きな玄関を潜るとメイド達が左右に並んでいた。

「た、ただいま」

その迫力に気圧されて、俯きながら早足でメイド達の列を抜ける。

「お嬢様、旦那様が書斎に来るようにとのことです」

「分かりました」

執事の格好をした人に返事をしたものの、書斎の位置は分からない。

「すいません、案内を……」

執事の格好をした人はいつの間にかいなくなっていた。

「……すいません」

私は歩いていたメイドに咄嗟に声をかけた。

「お、お嬢様!」

若いメイドは目を丸くしている。
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