イジワルな彼は私を溺愛しています ②
「お嬢様、和海様がお見えになりました」
私はすぐにドアの方に向かった。
本当ならメイドに声をかければドアは開くのだが、和海と聞いたら体が勝手に動いたのだ。
「和海っ」
ドアを開けてすぐに和海に抱きしめられた。
「半日ぶり」
久しぶりな感じがする。それが可笑しくて言った。
「ああ、そうだな」
和海は私を離して言った。
「仕事してたのか?」
和海の視線の先には開いたままのパソコンがあった。
「そう。急ぎじゃないんだけど一応」
「大晦日ぐらい休め」
「受験生の和海は休み過ぎだと思うけど」
「俺は推薦で受かるからいい」
「大層な自信で」
私はベッドに脱ぎ散らかした着物を箱に入れて、ベッドに腰かけた。
「まさか和海が来るなんて思わなかった」
「親父にまた騙された」
「また?」
「何でもない。もう親父は信用出来ないな」
和海は私の隣に座った。
「まあ、一緒に年越せるから感謝しないといけないのか」
「そうかも……っ!」
和海が服の下に手を入れた。