イジワルな彼は私を溺愛しています ②
コンコン

ノックの音がして、ドアが開いた。

「っ//兄さんっ!」

私は急いで体を手で隠す。

「………でかいな」

兄がそう呟くと和海から殺気を感じた。

「こんな時間から盛ってるのが悪いだろうし、そんなに怒るなよ。妹に発情するほど飢えてねぇから安心しろ」

和海は殺気を出したまま私と兄の間に立った。

「うおっ、見上げた独占欲で。お前ら羨ましいかぎりだよ」

兄はため息をついて、パソコンデスクの椅子に座った。

「亜矢は何か掴みどころがないんだよな。アピールしてるつもりなんだけど……。有紀何か知らないか?」

「私、学校で寝てるから知らない」

「じゃあ、タイプの男だけでも」

「亜矢はきっと一緒にいて楽しい人がいいんじゃないの」

「俺は楽しくないのかな……」

兄は頭を抱えている。
< 161 / 216 >

この作品をシェア

pagetop