イジワルな彼は私を溺愛しています ②
母からの説教を終えて部屋に戻ったのは30分後だった。

部屋に和海は居ず、私は無意識のうちにパソコンを開いた。

【仕事禁止】

パソコンのスクリーンに貼ってあった付箋にそう書かれていた。

これは和海の字だ。

和海に逆らったら大変だ。私は一気に暇になった。

何をして時間を潰そう。

いつもなら漫画を読む。しかし、今は漫画を持っていない。

………よし。

私は着物を着て、気分転換に家の中を探検することにした。

着物を着ていれば、そのままホールに行く事ができる。

どうせなら和海も誘おうと隣の和海の部屋に行った。

「和海……っ」

和海の部屋のドアを開けると、目に飛び込んできたのは和海と女の人が抱き合っていた。

私は金縛りにあったように体が動かなくなったような錯覚に襲われたが、次の瞬間には走り出していた。
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