イジワルな彼は私を溺愛しています ②
和海が顔をしかめる。私も生理的に一歩下がる。

「私はもう準備出来ましたから〜♡こんな奴さっさと捨てて私を選んでください〜♡」

「………」

和海の顔から怒りが消えて、すっと温度がなくなった。

「えっ//和海様〜♡」

何故か顔を赤くする羽山ナミ。

和海の目は氷のようだが、羽山ナミは動じない。

「何も言わないって事は私のこと好きなんでしょ〜♡そんなに照れなくてもいいのに〜♡」

照れる……。

今の和海を見てそう思えるのは羽山ナミだけだろう。

私の顔は絶対引きつっている。

和海は相手にするのが馬鹿馬鹿しくなったのか、生理的嫌悪に襲われたのか羽山ナミから距離をおいた。

「私はもう行くね」

私はこの場から離れるべく和海に言った。

「行くな」

和海は私の手を掴んだ。

和海の目は俺を一人にするつもりか?逃がさないからな、と言っていた。
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