イジワルな彼は私を溺愛しています ②
私はスマホを取り出して亜矢に電話した。

「もしもし、亜矢?」

『有紀、どうしたの?』

「私の家に来ない?」

『明日なら暇だよ』

「それなら、明日でもいいよ。何時なら準備出来そう?」

『10時くらいなら行けるけど、有紀の家どこ?』

「あー、そっか。私の家知らないよね」

私の目の前に兄のスマホが差し出された。

【学校に迎えを出す】

「……学校の前から送るから学校に行ってくれればいい」

『了解!じゃあねー』

「また」

私は電話を切った。


「どうだった?」

「明日来るって」

「さんきゅー」

兄は上機嫌で鼻歌を歌いながら去って行った。

私は小さくため息をついて沙知に電話をかけた。
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