イジワルな彼は私を溺愛しています ②
私はふふっと笑ってシャッフルし終わった和海の札を睨みつける。

またしても和海のポーカーフェイスは完璧。

ここは私の直感を頼りに右を

ガチャ

「有紀っ」

__引こうと思ったら、父が入ってきた。

「奏ちゃん、お母さんが心配してたよ」

「えっ、ママが?!大変!」

奏ちゃんは元気よく和海が持っていた2枚のトランプを足で蹴り飛ばして部屋から出ていった。

「あーあ」

トランプは強制的に終了した。

和海とトランプの片付けをする。

「有紀っ」

父が言った。

「何?トランプの恨みを大きいからね」

負けず嫌いな性格が発動した。たかがトランプ。されどトランプ。勝負なのだ。

「話がある」

「分かった」

私は片付け終わったトランプを棚の上に置いて、ベッドに腰かけた。

あいにくこの部屋は椅子がパソコンデスクのやつしかないのだ。
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