イジワルな彼は私を溺愛しています ②
「有紀やっと来たー」

ビーチボールで遊んでいた亜矢が私達を見つけて大きく手をふった。

「私も遊ぶーっ!」

私はいつもの3倍のテンションで叫んだ。



「かき氷でも食べよっか」

翔先輩の提案で私と翔先輩でかき氷屋に行った。

「…もしかして水沢?」

「え?宮沢君?」

かき氷屋の店員は宮沢君だった。

宮沢君は一学期で転校してしまったのだ。

「ほんと久しぶりってわけでもないけど会えて嬉しいよ」

宮沢君はにっこり笑った。

「私も。色々とありがとう」

「それ、転校する前にさんざん聞いた」

「あ、そうだった」

私はクスクスと笑った。

「有紀ちゃん、先に行ってるよ」

翔先輩は私にそう言って皆の方に戻っていった。

「誰と来たの?」

「亜矢と紗知。あと、和海と翔先輩、渡辺先輩」

「すごいメンツだな。学園のアイドル三人とか…」

「アイドル?」

「それは俺が勝手に付けたんだけど、そのくらい女子に人気がある三人。一番は会長らしいけど」

「ふーん」

この三人と海に来たなんて口が裂けても学校の人には言わないでおこう。

「まあ、水沢は会長しか興味無いだろうけど。……はい、イチゴ」

宮沢君にかき氷を渡された。

「ありがとう。じゃあ、元気でね」

「そっちこそ、また体調くずすなよ」

宮沢君は私の手にお釣りをのせながら言った。

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