イジワルな彼は私を溺愛しています ②
部屋に戻ってベッドに寝転がった。

どうしてまた心配かけたのだろう。

理由は分かりきっている。

私が和海の事を考えてなかったからだ。

それなら謝りにいかないといけない。

私はベッドから起き上がって和海の部屋の前で深呼吸した。

コンコン

「どうぞ」

少し経ってから和海の声がした。

ドアを開ける。

和海がじっと私を見ていた。

「許さないから謝るだけ無駄」

和海が気だるそうに口を開いた。

その声は紛れもなく私を拒絶していて、私の頭の中は真っ白になった。

「もういいから自分の部屋に戻って」

「で、でも」

「どうでもいい。人の心配を無下にする奴は一人で仕事でもしてたらいいだろ」

「っ……」

「出てけ」

私の心にピキっと亀裂が入る音がした。

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