イジワルな彼は私を溺愛しています ②
*side 和海


「ほら、私にはやる事が沢山あるの」

有紀のこの言葉を聞いて俺はキレた。

自己管理も出来ないでやる事があるとか、ふざけるな。

俺がどれだけ心配したと思ってる?

日に日に疲労の色を濃くしていく有紀を見てどんな思いをしたと思ってる?

この3ヶ月まともに有紀とゆっくりしていないことに俺がどれだけ堪えている思ってる?

「いい加減にしろ。自分の体くらい自分で管理しろ。それが出来ないなら仕事をするな」

有紀は俺の剣幕に驚いたのか俺が怖くなったのかは分からないが、下を向いた。

「心配する側にもなってみろ」

俺は有紀にそう言い放って有紀のお父さんの書斎を出た。
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