イジワルな彼は私を溺愛しています ②
キョロキョロしながらも3人は床の上に座った。

「椅子なくてごめんね」

「この絨毯フカフカしてるから大丈夫だよ…」

沙知は場違いな感じがするのかそわそわして落ち着かない。

「ああ、mizusawaグループ令嬢の部屋だ」

渡辺先輩は絨毯を手で触りながら言った。

渡辺先輩は流石と言うべきなのか順応性が高い。

「亜矢?」

亜矢はさっきから考え込むように虚空を見ていた。

「あ、ごめん。ちょっとぼーっとしてた」

「何か悩み事でもあるの?」

「うーん、悩んでるっていうか……。あのさ、大翔はmizusawaグループの跡取りだよね?」

「そうだよ。今は副社長」

「そっかぁー」

亜矢は小さく息を吐いた。

ガチャり

突然ドアが開いた。

「兄さん、入る時くらい……」

「亜矢久しぶり」

兄は私を無視して亜矢の隣に座った。

2人はすぐにパラレルワールドを作るが、亜矢の顔は優れない。

「今日何する?」

「ショッピングモールにでも行こうよ」

沙知が言った。

「それでいいと思う。有紀のお兄さんはどうだ?」

「大丈夫だ。今から行くか」

兄は立ち上がった。

トリプルデートがスタートした。
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