イジワルな彼は私を溺愛しています ②
ショッピングモール内を歩く。

男子3人はすぐに色んな芸能事務所からのスカウトの対応に追われ、女子3人は男子達からこっそり別れて歩いていた。

有紀は車の中で会長の携帯にGPS情報を送るように設定したからいい、と言っていた。

「亜矢おめでとう!」

「そうだよ、亜矢ちゃん良かったね〜」

「……なんで知ってるの?」

「そりゃあ、この目でばっちり見たから」

有紀と沙知はニコニコ笑っている。

「何か恥ずかしいわ」

「お幸せにね」

「どうも」

「よし!亜矢と沙知に何か買ってあげる!」

「何で?」

「mizusawaグループ令嬢のこと2人に黙ってたからそのお詫びに。こう見えても稼いでるから何でもいいよー」

「じゃあ、教えてほしいことがあるな」

私は有紀の肩を叩いた。

「沙知は?」

「欲しい本があるの」

「まずは本屋に行こう。亜矢は?」

「だから、教えてほしい……」

「そんなんじゃ私の罪滅ぼしにならないでしょ。何でも教えてあげるから欲しい物は?」

「うーん、ヘアバンドが欲しいかな」

「……何か2人とも遠慮してない?まあいいけど」

有紀は本屋に向かって歩き出す。

初めて来たショッピングモールなのに場所が何故分かるのかと有紀に聞くと、「さっき案内板見たから」という天才発言が返ってきた。
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