イジワルな彼は私を溺愛しています ②
「結婚って……」

結婚には責任が伴う。それに、大翔はmizusawaグループの次期社長。責任は大き過ぎる。

「今は考えられないよ」

「mizusawaグループの事なら気にしないでいいから。俺の両親も駆け落ちだから反対はしないと思うし。じゃあ、行こうか」

「ふふっ」

大翔に私の考えている事は筒抜けらしい。

もしかしてこれが以心伝心なのかもなぁと思うとちょっと可笑しくて笑ってしまう。

「何かあったか?」

「以心伝心」

「?……まあいいか」

大翔と歩いて沙知と渡辺先輩と合流する。

有紀は会計中で会長は有紀にぴったりくっついている。

「カズは凄い束縛するよね。王子様チャラは崩壊したし」

「有紀の携帯のGPS持ってるらしいですからね」

「別に驚かないよ……」

「あいつの独占欲は異常。有紀が若干天然で何も違和感を感じてないことが救いかもな」

「多分、有紀ちゃんも会長に依存してるとこあると思うし……」

「あれは2人で1人みたいな感じだからね。どちらかが欠けると機能しなくなるんだよ」

「まあ、ただのバカップルだな」

大翔が元も子もない事を言った所で、噂の2人が来た。
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