イジワルな彼は私を溺愛しています ②
文化祭 準備

生徒会も大変ですが

夏休みの後半二週間。夏休みだというのに各クラス文化祭の準備に朝から学校に来ている。

1、2、3、1、2、3………。

今、私は講堂でダンスの練習をクラスの皆としている。

男子は差し入れを持って来てくれる。

これぞ青春だと思う。

「有紀さん、いい感じ~!休み前とは大違いだね〜」

監督役の女子から初めて褒めてもらった。

「ありがとう。あのさ、ここの動きなんだけど……」

どうせなら最高のダンスにしたい。

私はクラスの皆と打ち解けあってダンスの練習が楽しく感じるようになった。

「ああ、ここは右手をあげてから回るの。スカートがふわってなるように」

「スカート?」

「言ってなかったっけ?当日はチアガールのコスプレで踊るの。有紀ちゃんなら何着ても似合うから大丈夫!」

チアガール……ってあのポニーテールの女子達がエールをおくるやつ?

私には絶対似合わないと思う。

「あと、会長は絶対来るんだよね?」

「そうみたいだけど」

「よかったー。もし来なかったら大変だよ。私クラスの皆に殺されちゃう」

「そ、そんな大げさな……」

そう言ってる私の顔はたぶん引きつっている。

「有紀ちゃん、頼んだからね。あと、当日有紀ちゃんにも客寄せしてもらうことになったからよろしくね」

「うん、わかった」

私はもう一度和海に来てもらえるようにお願いしようと強く思った。

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