イジワルな彼は私を溺愛しています ②
*side 有紀
「良かったわ〜。本当に良かったわ。もうこの子ったらおしとやかな女は嫌いだ。自分に媚び売る女はもっと嫌いだ。とか言って全部お見合いを断ったのよ。もう一生独身じゃないかって心配してたんだから」
「ああそうだな。結婚は何時にする?」
「亜矢ちゃんが高校卒業後でいいんじゃないかしら」
「それは遅すぎるだろう。来年に結婚すればいい。高校卒業後に結婚を公開しよう」
トリプルデートから帰宅後。
沙知と渡辺先輩はそのまま家に帰っていき、何故か私と和海同伴で母と父に報告したのだ。
私は茶菓子を食べながら、興奮した母と現実主義の父の会話を聞いていた。
亜矢はほっとしているのかよく分からない表情をしている。
「結婚式は1度目は近親者のみでやって、2回目は大勢招待するか」
「いいわね。来年式を挙げるなら今から会場を選ばないと。それに亜矢ちゃんのウエディングドレスとか、2人の新居とか」
「うむ。新事業は結婚式が終わってからだな」
「夢が膨らむわ」
母のうっとりした表情を見て私と和海は早々に部屋を後にした。