イジワルな彼は私を溺愛しています ②
有紀は教室で男共に囲まれていた。

チョコをせがまれてるんだろう。

「ちっ」

小さく舌打ちして有紀に近づく。

「有紀」

「あ、和海。どうしたの?」

「今日は有紀といる」

「……授業は」

「有紀と受ける」

「……意味分からないけど」

「別に分からなくていい」

目力で男共を遠ざける。

「クラスメイトって日頃お世話になっている人だと思う?」

「さあな」

有紀を立たせて有紀の椅子に座る。

「そこ私の席なんだけど」

「そうだな」

有紀を膝の上にのせる。

「髪ゴムないのか?」

有紀の髪の毛はサラサラで気持ちいいが、うなじが見えないのは残念だ。

「ない。……恥ずかしい」

「会長ありますよ」

水谷が腕につけてあった髪ゴムを渡してくれた。

その髪ゴムで綺麗なポニーテールを作る。

「和海、恥ずかしいから」

有紀が逃げようとするが腰を掴んで離さない。
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