イジワルな彼は私を溺愛しています ②
数分後。

有紀は俺の隣の椅子に座ってカップケーキを食べていた。

「美味しいかな」

俺にはただのパサパサしたカップケーキにしか見えないが、有紀は黙々と食べている。

チャイムが鳴った。

「1限目終わったな」

「2限目は英語」

有紀はカップケーキのゴミをゴミ箱に入れて、立ち上がった。

有紀の教室の入り口にチョコを持った女が沢山いる。

「はぁ」

どうして有紀の教室に押しかけて来るのか。

普通、人の彼女の前でバレンタインチョコを渡そうとしないだろ。ただの無神経以外は。

「あの!」

げっ。

1人の女が気づいてこっちに来る。

それに続くようにぞろぞろと他の女も来る。
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