イジワルな彼は私を溺愛しています ②
ダンボール箱5つ抱えて帰路につく。
隣の有紀は3つ持っている。
「和海、女の子達からのチョコは全部冷蔵庫に入れて食べるてよ」
「こんなにチョコばっか食えるか」
「ダメ。先輩と約束したんだから。貰った側の責任だと思って頑張って。でも今日は食べないでよ。ご馳走作るから」
「有紀が作ってくれるのか?」
「不満?」
「意外だった」
「何それ。毎日私がご飯作ってるのに」
「有紀くらいのお嬢様なら誕生日パーティーは外食だと思ってた」
「そんなわけないでしょ。私が手料理で和海の誕生日パーティーするの始めてでちょっと緊張してるのに」
キスしたいと思ったがダンボール箱が邪魔で出来ない。
本当にチョコなんていらない。
いや、有紀のは凄くほしい。
「はぁ」
「何?ため息つかないでよ」
「チョコが邪魔で有紀にキス出来ない」
「なっ//」
有紀の顔は赤に染まる。
そして、逃げるようにエレベーターに駆け込む。
「今すぐ食べたい」
俺もエレベーターに入って、有紀の耳元でささやく。
「ちょっと待って。下ごしらえしかしてないんだから」
「下ごしらえ?毛でも剃ったか?」
「は、はあ?!そ、剃るわけないでしょ!」
有紀はやっと意味を理解したらしく、元々赤かった顔がりんごのようにさらに赤くなる。
有紀の顔がようやくピンク色になった所でエレベーターが止まり、俺が鍵を開ける。