イジワルな彼は私を溺愛しています ②
「か、和海……」
和海は私を人のいない校舎の隅にまで連れてきて、いきなり壁ドンをしてきた。
しかし、ときめくなんてことは出来そうもない。
和海は私を睨みつけている。
もう、般若の顔だ。
怖すぎる……。
「どういうつもりだ?」
「ど、どうって……?」
「ブラウスのボタンはあけて、パンツが見えるぐらい短いズボンをはいて。男でも誘ってるのか?」
「誘ってなんかない」
「そうか?生徒会室には俺が指名した男しかいないんだ。それも計算したんじゃないか?」
「そんなことない」
生徒会室には女子がいなかったのか……。
和海が王子様じゃなかったのはそのせいで。
今は女子がいなかったという事実は苦しめられている理由にしかなっていない。
「あそこが暑いのがいけない」
「クーラーがぶっ壊れてるからな。今すぐ履き替えろ。わかったな」
有無を言わせない口調。
「はい…」
私は小さく頷くしかなかった。