イジワルな彼は私を溺愛しています ②
「水沢さん少しは考えて下さいよー」

少し涙目になっている春樹先輩が言った。

「会長があそこまで独占欲が強いとは思わなかったな」

スポーツマン系の先輩が言った。

「俺は書記の小嶋健人な。よろしく!」

「水沢有紀です。よろしくお願いします」

「水沢さん、この文化祭の間だけ生徒会の仕事のアシストしてもらうことはできるないか?」

渡辺先輩が言った。

「できないこともないですが……?」

「それならやってくれ」

「なんででしょうか?私がいたら皆さんの邪魔になると思いますが」

「カズの安定剤だ。あんなカズをどうにかできるのは水沢さんしかいない」

「………分かりました」

渡辺先輩の話し方は何となく了承してしまう感じがある。

「そうと決まれば自己紹介だねー」

春樹先輩が言った。

「僕は会計の川谷春樹。よろしくねー」

可愛らしい笑顔が輝いて見える。

「さっき言ったけど、俺は書記の小嶋健人」

「俺は会計の早見大輝だ」

早見先輩は人と関わるのが苦手なのかすぐにそっぽを向いてしまった。

「書記の加賀田洸希ね。よろしく!水沢さんは噂通り……」

「それ以上言うな。カズに殺されるぞ」

加賀田先輩の顔色が渡辺先輩の言葉を聞いて少し悪くなったように見える。

「そ、そうだな……」

「それで、あそこにいるのが副会長の山口恭也。まあ、極度の無口だが仕事は早い」
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