イジワルな彼は私を溺愛しています ②
「鈴木晴香に負けたくない?なにで有紀が負ける?」

声に出ていたらしい。

「有紀の方が頭もいいし、運動もできるし、なにで負けてるわけ?」

そこに可愛いが入っていないことに少し落ち込む。

「何に対抗心燃やしてこんなナンパ待ちみたいな格好がしたいの?」

押し倒す和海の力が強くなった。

心臓がうるさいくらい鳴っている。

「……和海とつり合うような人になるのっ!」

私は和海が狼狽したの力が弱まったすきにソファから出た。

「鈴木晴香に負けないように可愛くなるのっ!」

ボサボサになった髪を手ぐしでときながら言った。

叫んだけど、恥ずかしすぎる。

だんだん顔が赤くなっていくのが分かる。

「……っ、分かった。その代わりなんか羽織れ。あと、俺から離れるな」

こくんと頷いて薄黄色のカーディガンを羽織った。
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