イジワルな彼は私を溺愛しています ②
「本当に終わらせたのか?」

「暇だったから」

「水沢さん、それ本当?」

小嶋先輩が聞いてくる。

私ってそんなに信用ない?


「本当ですけど。確認します?」

「いや、水沢さんが嘘ついてるって疑ってるわけじゃないから」

「そうですか」

「本当だって。水沢さんは仕事が早すぎなんだよ。いや、助かってるから責めてるわけじゃないんだけど」

つまり、疑ってしまうくらい私の仕事が早いと。

「これから学校で泊まり込みだ」

和海が突然大声で言った。

「有紀は俺らの仕事全部やれ。他の奴らはモニュメント作りだ。休みはない」

「「「「はい?!」」」」

「しょうがないだろ。こうでもしないと文化祭に間に合わない」

「そうだけど……」

「文句はあるか」

「「「「ないです……」」」」

和海の有無を言わせない口調に全員が折れた。

「でも会長ー、予算はどうするの?新しい材料を買うお金なんてないよー」

川谷先輩が言った。

「俺らも文化祭で出店する」

「「「「……はあ?!」」」」

「だから、泊まり込みだ」

「確かに、それしかないね……」

加賀田先輩が言った。

「大輝と恭也もいいな」

「ああ……」

早見先輩が言った。

山口先輩も小さく頷いた。

「そうと決まれば明日から泊まり込みな。有紀、仕事は山ほどある」

________こうして、泊まり込みが決定しました。
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