イジワルな彼は私を溺愛しています ②
「美味いっ!」

夕飯に調理室で山口先輩が作ってくれたオムライスを頬張った加賀田先輩が言った。

「美味しいです。山口先輩って料理上手ですね」

私も机の隅にいる山口先輩に言ったが、

「………」

返事が返ってくることはなかった。

「会長ー、僕達のお店はどうするんですかー?」

「決めてないな」

お店……文化祭で生徒会が出すやつか。

モニュメントのお金を稼ぐために。

「どうするか。飲食店にするか?」

「会長は当日時間ないだろ?」

小嶋先輩が言った。

「後夜祭ならいい」

「それだけか……。なんか、ステージ発表でもやるか?」

加賀田先輩が言った。

「それじゃあ儲からないだろ。準備にも時間がかかる」

「それなら……」

私はそこで話しを聞くのをやめた。

生徒会役員の皆さんなら何をやっても儲かるだろうに。

私はオムライスをたいらげて、調理室から出た。
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