イジワルな彼は私を溺愛しています ②

*side 和海

はぁ。

ほんと、有紀可愛すぎる。

あのエロい声。

聞いた瞬間ゾクッとした。

本当はもっとしたかったが、俺の理性の崩壊が早くて、すぐに唇を離した。

有紀の使った机は散らかっている。

俺はさっとひとまとめにしとこうと、紙に手を伸ばした。

ん?

『2年A組 西山大和』

そう書いてあるメモを見つけた。

「こいつ……」

有紀のファンクラブ会長だ。

有紀と会ったのか。

どうして有紀はクラスと名前をメモしている?

メモするのは覚えておくためだ。

何の為に覚えておく必要があった?

有紀とあいつには………。


落ち着け。

ただのメモを見ただけでそんな妄想してどうする。

後で有紀に聞けばいい。

「はぁ、俺独占欲半端ないな……」

自分でも異常だと思う。

心のどこかで有紀には俺だけを見てほしいと思っている。

俺しか知らない所に閉じ込めて、有紀の笑顔も声も全部俺だけのものにしたい。

でも、俺がそんなことしたら有紀が泣くことは分かる。

有紀には笑顔でいてもらいたい。

有紀がもし俺の強すぎる独占欲と束縛から逃れたいと思っているならそうしてあげよう。

けれど、そう言わない限りは俺は有紀を一生、離さない。

「和海ー」

髪を濡らしたまま有紀が入ってきた。

ここに他の奴らがいなくて良かった。

いたら、そいつらの目を潰したい衝動と戦うことになっていたと思う。

「髪ぐらいちゃんと乾かせ」

「一応拭いたんだけど。それよりもどこで寝ればいいの?」

「保健室。他の奴らは寝袋で適当な部屋で寝てる」

「私達だけベッド使っていいの?」

「ああ。行くぞ」

俺は保健室に有紀と向かった。


「まだ決めてなかったの?」

「中々いい案が出なくてな」

俺はベッドの中で言った。

カーテンは開けてあるから互いの姿は見えるが、有紀に触れられない。

…………少しの我慢だ。

「和海達なら何やっても儲かるから、好きなことすればいいんじゃない?」

「それが困るんだ」

文化祭の店は後夜祭でやる事が決まった。

問題は何をするかだ。
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