イジワルな彼は私を溺愛しています ②
クラスの皆はなんだかんだで認めてくれたが、先輩達はそうもいかないだろう。
「水沢さんが抜けたら売り上げが半分になる」
渡辺先輩が言った。
半分ってどう考えたらそうなるのか。
「水沢さん、本当にダメかな?男子が来なくなっちゃう」
加賀田先輩が私を見つめて言った。
「水沢さんのパワーで男子を、会長のパワーで女子を釣ろうと思ってるんだけど」
…そういう事ですか。
ここ数日で私がこの学校に与えている影響もだいぶ分かってきた。
「有紀、やれ。モニュメントには金がかかる」
和海が私の耳元で言った。
「…………分かりました。やります。その代わり、私が喫茶店のオーナーです」
店長。
一度やってみたかった仕事だし、どうせやるなら私の好きなようにしたい。
喫茶店なんて、たぶん一生できないから。
「「「え?」」」
そんな私の申し出に皆驚いて声を出した。