イジワルな彼は私を溺愛しています ②
「オーナーは有紀に任せる。これに異議はあるか?」

「「「ない」」」

和海がやっと口を開いた。

「まあ、好きなようにやれ。手伝ってほしいことがあったら遠慮なく言え。人手不足はおいおい考えればいい」

「分かった」

「なら、各自自分の仕事に戻ってくれ」

和海がそう言って、皆は自分のデスクに戻っていった。

私は隅においやられていた昨日の仕事の名残の紙をパソコンまでもってきた。

『2年A組 西山大和』

「あ!」

そのメモを見た時、私は声を上げていた。

これで、人手不足は解決だ。

あの時、西山先輩はやれることがあったら手伝うみたいなことを言っていた。こうなったらとことんこき使ってやろう。

あの人は嫌いだが、沢山の人が協力してくれるはずだ。

「有紀、どうした?」

「この人昨日生徒会室に来て、ファンクラブとして何か手伝うみたいなこと言ってたの。だから手伝ってもらおうと思って。私ちょっと行ってくる」

どのクラスも文化祭の準備で学校にいるはずだ。
< 54 / 216 >

この作品をシェア

pagetop