イジワルな彼は私を溺愛しています ②
私は2年A組の教室に向かった。
扉をノックして、開けた。
「「「「「有紀ちゃんだ……」」」」」
中にいた男子の先輩達が私を見た。
「西山先輩に用があって」
「ぼ、僕です」
体を小さくしてこっちに来たのは西山先輩だ。
なんでこの人が会長になれたのか疑問だ。
「ファンクラブの人に手伝ってもらいたいことがあるんですが、何人集まりますか?」
「え?お手伝いさせてもらえるんですか?」
西山先輩の顔が輝いた。
「な、何人くらい必要ですか?」
「5人ほど」
「ご、5人ですか…」
「集まりませんか?」
「そ、争奪戦が始まります……。有紀ちゃんと近づけるチャンスなんて……」
はあ。
何そのダルい争い。
「じゃあ、1時間後に生徒会室に5人だけ来てください。お願いします」
私はそれだけ言い残して生徒会室に戻った。