イジワルな彼は私を溺愛しています ②

*side 有紀

電車は沢山の人がいた。

和海は壁側に私を立たせて、私を守るように立った。

その姿に周りの女性がヒソヒソと話す。

「あの人すっごいカッコイイ」

「私もあんなふうにされたい!」

やっぱり、誰が見ても和海はカッコイイらしい。

「はあ」

和海につり合う道のりは厳しい。

「どうした?」

「なんでもない」

「そうか?」

チュ

和海が触れるだけのキスをした。

「な、なんでここでするの」

「なんでもない」

そう言いながら口角をあげた。

「有紀からもして」

「い、いや、ちょっと……」

こんなに沢山の人がいる前で恥ずかしすぎる。
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