イジワルな彼は私を溺愛しています ②

「さっきまでの心配を返してよね!!」

怒ってずんずんと歩いていく。

「有紀」

俺は少し歩くペースを上げて有紀に後ろから抱きついた。

「なに?」

こんなんで有紀の怒りはおさまらないらしい。

「ダンス最高だった」

耳元で言った。

「和海の心配をしなければもっと上手く踊れたかもね」

嫌味かよ。

「そんなこと言うんだ」

声を低くして言った。

有紀の体がビクッとした。

「な、何か問題でも?和海が血だらけで来たら心配して…」

「俺が悪かった。ごめん」

「へ?」

有紀はぽかんとしている。

有紀がもう怒る気がないならこれ以上いじめるのはやめておこうと思っただけだ。

有紀は何も言わずにまた歩き出す。

「有紀、まさか生徒…」

生徒会室に行く気なのか?

と言う前に有紀が生徒会室の扉を開けた。
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