イジワルな彼は私を溺愛しています ②
*side 有紀

私が和海と釣り合ってると言われた!!!

しかも、ファンクラブの会長さんに!!

私よりも背が高くて、スタイルを良くて、大人っぽい先輩に!!

私は今にも舞い上がりそうなくらい嬉しかった。

和海が来るのを待っていたであろう先輩に和海を渡して、私の前にはいつの間にか2人の男がいた。

「水沢さんですか?」

身長の高い方が言った。

私に敬語。

……ファンクラブの方達ですか。

「はい」

「やっぱり~。可愛い!です」

背の小さい方が言った。

違和感しかない敬語を使わないでほしい。

「水沢さんは、どうして生徒会に入り浸っているの?ですか」

こいつ相当の馬鹿だな。
しかも、こいつの方がしゃべる。

ジャンケンで勝った私のアシスタントの方々がこいつじゃなかったことに安堵する。

「会長の手伝いです」

「へー、会長は優しいんでしょ?さっき新聞委員会の最新号に書いてあったんだよ。です」

これで敬語のつもりなのか。

「はい。とっても優しいです」

「水沢さんが仕事する所見てみたい!です」

もう、最後の「です」をやめてほしい。

「それは会長に聞いてみないとなんとも…」

「えー、でも会長今忙しいしね。です」

チラッと見てみると和海はファンクラブの方々に囲まれている。

時おり、女子の笑い声が聞こえる。

和海が珍しく饒舌になっているのだろう。

和海は一瞬、私と目を合わせたがすぐに逸らして笑顔で女子と話し出した。

カチンときて、私も和海から視線を外した。
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