イジワルな彼は私を溺愛しています ②
「失礼しまーす」

「し、失礼します」

聞いたことのある声がして扉が開いた。

「亜矢と紗知、どうしたの?」

「亜矢ちゃんがちょっと顔見せとこって」

「こんな朝から?」

「まあね。何してるの?」

「これ切ってる」

亜矢と紗知は私の手もとを見た。

「それは分かるけどさ。何のために?」

「後夜祭でちょっとね。そこのチラシ見たら分かる」

私はコピー機を指して言った。

「「……こんなことするの?」」

「まあね」

「写真撮影だよ!!有紀もやるんでしょ?!何で教えてくれなかったの?!」

「そうだよ!私だって有紀ちゃんのお手伝いくらいするんだからね!!」

「あ、ありがと」

私に顔をずんと近づけて言ってくる。

「で、手伝うことは?」

無いとは言わせないと顔に書いてある。

「…これ切るの手伝ってくれる?」

「あいあいさー!!」

亜矢の声で2人も作業を開始した。
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