イジワルな彼は私を溺愛しています ②
有紀が一番輝いて見えるのは俺だけではないだろう。

曲はイントロに入り、有紀以外の人がステージの裏に行った。

有紀はすうっと息を大きく吸って、俺の方を見る。

「有紀……?」

有紀の意を決したような顔。

「大好き!!」

「愛してる!!」

「これからもよろしくお願いします!!」

有紀は俺を確かに見て言った。

体温が急激に上がっていくのが分かった。

「「「おおおおーーーー!!!!」」」

有紀の声に答える男共。

俺はそれすらも遠くに聞こえた。

「水沢さんこっち見てたね」

「こっちではなくてカズだろ」

「そうだねぇ…ってええ!!」

「うるさいな……っわ!」

2人は俺を見て声をあげた。

「「カズが照れてる?!」」

俺はたぶん、顔が赤い。

「いや、きっと風邪だ!絶対風邪だ!」

「あ、ああ。そうだな」

俺は柄にもなく照れている……のかもしれない。
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