イジワルな彼は私を溺愛しています ②
「有紀、他には?」
「詳しい事はこれを見てください」
私は作っておいた資料を配った。
「それと、売り上げで旅行をしようと思っています」
「「「旅行?!」」」
「ああ、俺らだけで行く。有紀も含む」
「分かったけどさ。そんなに儲けれるの?」
「そこは、俺らの努力次第だな」
小嶋先輩の声に和海が答えた。
「あのー、水沢さんは何着るんですか?」
川谷先輩が言った。
「浴衣じゃないの?俺らが袴なんだから」
加賀田先輩が言った。
「そこは、カズ次第だな」
渡辺先輩が和海をちらっと見て言った。
「別に浴衣ならいい」
「確かに、下手に露出が多いよりかはいいもんね」
翔先輩が言った。
「それなら、私は浴衣ですね」
浴衣なんてあっただろうか。
まあ、母に貸してもらえばいいか。
「では、私は…」
「俺たちも手伝うからさ、水沢さんだけに任せられないでしょ」
小嶋先輩が私を気遣って言ってくれた。
「ですが、私が店長ですし」
「いいから、少しは先輩に任せなさいって」
加賀田先輩が笑って言った。
「…それなら、この写真から撮影場所にいい所を選んでもらってもいいですか?」
私はポケットに入れてあったUSBメモリーを加賀田先輩に渡した。
「私はチラシを配ってきます。皆さんも時間があったらお願いします」
私は席を立ってコピー機にあるチラシを持った。
「俺も行く。後は頼んだからな」
和海もチラシを持って、私と一緒に生徒会室を出た。