イジワルな彼は私を溺愛しています ②


「和海くんも行くのよ」

「え、あ、はい。わかりました」

母の強引な誘いに和海は頷いた。

「有紀も和海くんも一旦家に帰って着替えてらっしゃい。家の前に車がくるから」

「分かった」

という事で、私は和海と両親とご飯を食べる事になった。

私は適当にドレスを着て、和海もスーツを着ている。

そして、駐車場でかれこれ5分待っている。

「明日、大丈夫かな?仕込みは終わったし、チラシも配れるだけ配ったし…」

そして、私はその間ずっと落ち着きがない。

「今更心配してもしょうがないだろ」

「そうだけどさ。なんか、緊張しちゃって」

「大丈夫だ。明日死ぬ気で頑張るから」

和海は私の頭をぽんぽんと叩いた。

「頼んだからね」

私は少し落ち着いて、和海に笑みを向けた。

「ああ。…来たぞ」

和海がそう言った時には、私達の前にジャッと車が止まった。

そして、運転席からドラマで見る様な執事の格好をした人が出てきた。
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