サプリメント
「はあぁぁぁ」

だから、4月は嫌いだ。

うなだれていると。

「あれ?まだ残ってるの?」

「うわっ」

完全に脱力していたところに突然、課の扉が開いたので、必要以上に驚いてしまった。

「あ、ごめんごめん」

私の反応のせいで企画課の水野課長も、少し慌ててしまっている。

「いえ、こちらこそすみません」

「いやいや。それより、まだやってくの?そろそろ上がったら?」

心配してくれる優しい水野課長の声に、キュンとする。

「あと少しだけ……きりのいいところまでやっておきたいので」

「そうかぁ。あとどれくらいかかりそう?」

「日が変わるまでには帰りたいと思ってます」

「え!?それ絶対今日やっておかないといけないやつ?」

「絶対というわけではないんですけど、昼間は来客が多くて、自分の仕事がなかなかできないので……」

「あぁ、この時期、総務は忙しいもんねぇ」

「はい……」

「でも、もうこの辺にしておきな。体壊しちゃ元も子もない。ね?」
< 3 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop