アヴァロンの箱庭
白銀
僕は冬を愛している。
 
冬は空気が冷たくて、あらゆる物が凍てついていて、空一面が灰色の雲に覆われていて……

その季節はまるで世界が終わった後みたいにもの静かで綺麗なんだ。永遠に変わることのない絵画みたいに。
 
僕はサンタクロースにプレゼントをもらったことがない。

もしかしたら幼い頃にはもらっていたのかもしれないけど、僕が冬を好むようになってからはいつしかもらえなくなった。
 
でも、別に構わない。

僕は冬そのものが好きなのであって、クリスマスなんかが好きなわけじゃない。だから、誰がプレゼントをもらおうがそんなのは知ったことじゃない。
 
本当にそうなのかな……本当にそうなのかな……もう、やめてよ。

 
冬と。
雪と。
氷と。


世界は、全てを壊して。
世界は、全てを愛して。


僕の中で膨れ上がっていく。寒い。冷たい。今にも凍え死んでしまいそうな程に。

だけどね。

それは、不思議と嫌な気持ちじゃないんだ。



寧ろそれは……とても温かくて心地いい。
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