極甘同棲～エリート同期の独占欲を煽ってしまいました

「資料室行ってきまーす」
部のメンバーに声をかけて、資料室に向かう。

ドアの脇のリーダーに社員証を通して、資料室に入室する。今日は美奈さんに頼まれた資料探しだ。
Eurekaの資料室は、ちょっとした図書館くらいの規模がある。資料室担当のスタッフもいて、資料には全てICチップが埋め込まれているとか。

天井まで届く書架に、１９６０年代、あるいはもっと前からのファッション誌がずらりと並んでいる様は圧巻だ。史料としての価値が高いものもあるから、服飾学校の講師の方が閲覧しにくることもあるという。

美奈さんリクエストの１９８０年代の雑誌を探す。店舗の空間デザインの参考にするのだとか。
「カーニバルナイトをテーマにしようと思って。バブルの頃の雰囲気をちょっと感じてみたいんだ」そんな美奈さんの言葉を思い出しながら、雑誌を一冊一冊腕に載せてゆく。

あ、コレもいいかも。アバンギャルドな衣装に身を包んで気だるげな視線をこちらに投げるモデルが表紙を飾る一冊を見つけて、手に取る。

美奈さんに頼まれた雑誌は、すべて揃えた。わたしの意見なんていらないよね———だけど・・・