極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました
ちらっとわたしが持っている雑誌に目をやって、「資料探しのお手伝いか」とつぶやく。
ついと、その視線をわたしの顔に戻して、「佐伯彬良のおまけ採用で、ルックスだけが取り柄だと思ってたけど、意外とちゃんとやってるみたいだな」そう言って唇の片端を上げる。

突然浴びせられた侮辱に、頭は真っ白になり、身体は凍りついた。
それ以上に、今、この人はなんて、聞き捨てならないことを———

「・・・おまけ?・・」

眉を寄せるわたしに、「おまけ、採用」と三崎さんはゆっくり繰り返す。まるで出来の悪い子どもに言い聞かせるように。
「佐伯彬良の口添えがなければ、きみのレベルでうちに採用されるわけないだろ。まあ彼は、並の社員10人分の価値はあるだろうから、使えない社員を一人おまけに付けられてもお釣りがくるって計算だ」

「あき・・佐伯さんは、そんなこと・・」
するわけがない、と言いたいのに、言葉は喉に引っかかって出てこない。

「幼なじみだか、そんな仲なんだろ。まぁ俺はもっと深い関係と見てるけどね」

「どうしてあなたが、佐伯さんとわたしのことを・・・」
混乱と恐怖に、全身が冷たくなってゆく。
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