極甘同棲～エリート同期の独占欲を煽ってしまいました
唇が重なる直前、
「やっ！」

彬良くんから逃げるように、身を離してしまった。一番驚いたのは、たぶんわたしだ。自分でも説明がつかない。

「ぁ・・・」
呆然とつぶやく。

目の前には同じように呆然とした、彬良くんの顔がある。

「ご、ごめんなさい」
思わず謝って、自分で自分の体を腕で抱く。どうしてだか、触れられることを身体が拒絶している。

———きみは損得で男と寝れる女なんだろ。
三崎さんの言葉に、呪縛のように囚われてしまっている。
自分のことを、穢らわしい、とさえ感じてしまう。

「そよか・・」
彬良くんがこちらに手を伸ばそうとして、迷ったように止める。
「あいつに何か・・・されたのか？」

彼の目には、今まで見たこともないような激しい色がある。怒り、かもしれない。

反射的に激しくかぶりを振る。違う、違うの！
頭を埋め尽くす感情は、なにひとつ言葉にならない。自分がきちんと理解していない状態を、他の人に説明できるわけがない。
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