極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました
そよか、とやああって彬良くんが口を開く。
「そよかの心は、すごく無防備で柔らかい。その心がいきなり汚いものを浴びせられたんだ。そのせいで自分が汚いかのように錯覚してしまってる」

あぁそうか、そうなんだ・・・三崎さんに娼婦かなにかのような扱いをされて、一言も言い返すことさえできなくて。
自分が穢らわしい存在で、彬良くんと愛し合うことさえ浅ましいことのように感じるようになってしまった。

「そうじゃないって理屈で言い聞かせても、体と心が拒絶してしまうんだ。毒を注ぎ込まれてしまったような状態だから、回復には時間がかかるかもしれない」

そんな・・・何もかも、わたしの弱さと愚かさのせいだ。目の前が暗く塗りつぶされてゆく。
あまりに絶望が深いと、涙さえ出てこないんだと初めて知った。

「俺はそばにいるよ」

彼の言葉に、引き寄せられるように顔を上げる。

「昨日守ってやれなくて、ごめん」

どうして彬良くんが謝るの。

「ご、めん・・なさい」
うつむいて、しぼり出すようにように、その言葉を吐く。

彬良くんは、自分を責めないでというようなことを言ってくれたけど、わたしはもう顔を上げることができなかった。
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