極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました


どうすればいいの・・・
ひとり力なくベッドに横になって、途方に暮れる。

彬良くんの力になりたい、なんて意気込んでいたのが、ずいぶん昔のことみたいだ。
現実は、彼に迷惑をかけて、足を引っ張って、荷厄介な存在でしかない。肌を合わせることもできないなんて、恋人といえるんだろうか。

つつう、と目尻からこぼれた涙が、枕に吸いこまれてゆく。

きっと三崎さんだけじゃない。抜きん出た才智を持つ彬良くんの周りには、その才を妬む人たちが必ず出てくる。
だから・・・彬良くんには、もっと強く賢い女性がふさわしいんだ。三崎さんなんかとも、ひるむことなく渡り合えるような。
そうきっと、今働いているチームの女性たちみたいな。

わたしと彬良くんじゃ、あまりにもアンバランスだ。

必死に嗚咽を噛み殺す。泣いているのが彬良くんの耳に届いたら、彼を余計に苦しめてしまうから。
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