極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました
まるで傷ついた動物が身を安らえるように、わたしたちはその日寄り添って静かに過ごした。

それでも日曜日になると、だいぶ気力体力が戻ってきてる、って感じることができた。弱いんだか図太いんだか、自分でもよく分からない。

今の状況に、なに一つ答えを見いだせていないけど、とりあえず手と体を動かすことはできる。
スーパーに買い物に行って、明日からの料理の下ごしらえをするくらいならできそうだな。せめて自分にできることをしないと。

冷蔵庫をのぞいて食材をチェックしていると、そよか、と彬良くんに声をかけられた。

「よかったら午後、ドライブでも行かない?」

「いいけど・・午後から雨がぱらつくみたいだね」
彬良くんの気晴らしになるならいいけど、あいにくの空模様だ。

車なら濡れる心配もないから、っていう彼の言葉に手早く身支度をすませる。
途中でお茶とか食事とかするかもしれない、と思って傘も持っていくことにした。お気に入りの、初めてEurekaで買った赤い傘。
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