極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました
「う、ん。そうだよね、新しい服を着ると新しい自分に会えるような気がするし。自信をもらえるし・・・」
何か言わなくちゃと焦るものの、すぐに言葉に詰まる。
沈黙が流れて、窓の外に視線を向けると、Eurekaの入り口に女の子の二人連れがたたずんでいるのが見えた。おっかなびっくりという感じで店内の様子をうかがっている。
「どうしよう・・・」「入る?」「いいのかな」
そんな会話まで聞こえてきそうな。かつての自分を見てるみたいだ。
だいじょうぶ、って背中を押してあげたくなる。だからその扉を開けて、一歩を踏み出してほしい。
向かいの彬良くんも、彼女たちに優しいまなざしを落としていた。ふと彬良くんと目が合って、ふたりで微笑み交わす。
表に出ると、小雨がちらついていた。赤い傘を広げて、彬良くんに差しかける。
「俺が持つよ」
ひょいと傘を手に取る。
「ありがとう」
「もっとくっつきなよ、濡れるから」
背の高さが違うと、頭の高さも違うわけで。ずいぶん高いところに傘がある。
自然と、傘を持つ彼の腕にかるく手を回して寄り添う。拒絶反応みたいなものは、まったく起こらなかった。
そうだよね、だってわたしの大好きな恋人なんだもの。鈍色の空から雨が降ってきても、わたしたちの頭上には赤い傘が広がっている。
この先どんな運命が待ち受けていても———ひとり心の中で思う。
佐伯彬良という男性と付き合ったこと、Eurekaで働いたことは、わたしの誇りだ。それだけは生涯変わらない。
何か言わなくちゃと焦るものの、すぐに言葉に詰まる。
沈黙が流れて、窓の外に視線を向けると、Eurekaの入り口に女の子の二人連れがたたずんでいるのが見えた。おっかなびっくりという感じで店内の様子をうかがっている。
「どうしよう・・・」「入る?」「いいのかな」
そんな会話まで聞こえてきそうな。かつての自分を見てるみたいだ。
だいじょうぶ、って背中を押してあげたくなる。だからその扉を開けて、一歩を踏み出してほしい。
向かいの彬良くんも、彼女たちに優しいまなざしを落としていた。ふと彬良くんと目が合って、ふたりで微笑み交わす。
表に出ると、小雨がちらついていた。赤い傘を広げて、彬良くんに差しかける。
「俺が持つよ」
ひょいと傘を手に取る。
「ありがとう」
「もっとくっつきなよ、濡れるから」
背の高さが違うと、頭の高さも違うわけで。ずいぶん高いところに傘がある。
自然と、傘を持つ彼の腕にかるく手を回して寄り添う。拒絶反応みたいなものは、まったく起こらなかった。
そうだよね、だってわたしの大好きな恋人なんだもの。鈍色の空から雨が降ってきても、わたしたちの頭上には赤い傘が広がっている。
この先どんな運命が待ち受けていても———ひとり心の中で思う。
佐伯彬良という男性と付き合ったこと、Eurekaで働いたことは、わたしの誇りだ。それだけは生涯変わらない。